秋の原画展巡り Vol.1
平日休みの友人と〈秋の原画展巡り〉と称して、急遽お出かけしてきました。
まずは「薮内正幸美術館」の2018年度後期企画展示〈「にわやこうえんにくるとり」 と、身近ないきもの展〉へ。
日本唯一の動物画専門美術館。こじんまりとした美術館ですが、原画をじっくり見ることができる素敵な空間です。 そして、前期と後期で展示が変わります。一部でなく、全て。
それは「薮内正幸と言えば”動物画家”と思う方と、”鳥の画家”と思う方がいらっしゃるので、前期後期で異なる展示をするんです」と薮内竜太館長が以前教えてくださいました。
今回は『にわやこうえんにくるとり』(福音館書店)の初の全点展示。身近なのに、知らない鳥の世界。鳥は近づけば飛んで行ってしまうし、遠くからだと特徴がわからない。愛鳥家は必ず双眼鏡を持っていますもの。それを、じっくり見られるのが絵本。なんて素晴らしいのでしょう。
そして身近ないきものとして『モグラのせいかつ』(今泉吉晴)と『ネコの手』(日高敏隆)の原画も展示されています。(共に「ぼくのさんすう・わたしのりかシリーズ,岩波書店)
ネコの生活を手を通して描かれ、愛らしさが伝わる作品でした。この本を読んで、猫が飼いたくなった子どももさぞかしいたことと思いました。
私の興味を引いたのは、モグラの生態でした。そもそも土の中で暮らすモグラの動きをどうやって描けるのか、それはやはり骨格から描ける画家、薮内正幸だからでしょう。地中と地上の断面図は、写真ではできません!それに驚いたのは触角の位置でした。子ども向けに書かれた本ですが、今泉さんの文に好奇心をそそられ最後のページまで楽しみました。
因みに、私は動物が苦手です。ですが、薮内さんの絵は楽しく見てしまうのです。そこにはヤブさんの愛情が一筆一筆描き込まれています。だから、何度も美術館に足を運んでしまうのです。
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